ばりぼりばり
「いやさ、思うわけですよ。
このご時世、やってらんないわけですよ。
分かる?分かるかなー?ねぇ、皆」
灰は部室は名ばかりの教室でばりぼりとお菓子をむさぼる。
もちろん、お菓子をむさぼるのは灰だけではない。
ばりぼりばり
「俺は分かるよ、灰。
世間はカポーカポーカポー。
じゃぁ、俺たちはなんだろねっつー」
宏ははぁーと深いため息を吐いて、お菓子を食べる手を止めない。
ばりぼりばりぼりぼりばり
「カポーじゃなくて?・・・アホー・・・」
「誰が上手いこと言えっつったよ!!愁!!」
「いや、宏。上手くはないじゃろ。
大体、そう言ってお前達はお菓子食べてるだけじゃろ」
「そう言う学はエロゲを作ると・・・」
灰がそう言って、まとめる。
そして、また一斉にお菓子を貪り食うのだった。
「はぁ・・・」
そうため息を吐くのは、世にも珍しきかな、刹那である。
あのテンションの高い刹那がため息混じりに凹んでいるのにはわけがある。
そう。それはほんの数分前。
この部活なんだかよく分からないが実は部活であるこの部活の部活動が始まった時。
びりぃっっっ
そう激しい音がしたのと、皆の顔が「あ」となったのと・・・
刹那の悲鳴はほぼ同時だった。
そして、今のこの状況に至るのである。
「♪る〜、らるるる〜、僕のチャイナは帰ってぇ〜来な〜い」
「・・・刹那殿、また買えば良い」
「違うよ、学。ツッコむとこそこと違うと思うんだ、俺。
え?違うの?ねぇ、俺が間違ってるのか、宏!!」
「え?!ど、どっかツッコむとこあった?!」
「ひぃぃぃ!!しゅ、愁!!」
「・・・刹那がパンツ一丁なこと?今更だよ」
灰を置いて、一同はうんうんと頷きつつ各々したいことをしている。
その時。
ガラガラーっと、教室の扉が開いた。
「・・・・・・・・・おい。ここは何部やお前ら」
「あ、おかえり。生徒会、早かったね」
「違うわ、アホ。お前らに頼もうと思って」
光がそう言った途端、全員が口に出さずとも「えー」という顔をした。
その顔を光は見逃さず、キッと上手い具合に全員を睨む。
その眼光を浴びたものはとにかく震え上がる。
「もう一回聞くで?ここは何部や?」
「・・・執行部という皆をお助けするぜ☆的なアレんとこです」
「宏、正解。で?お前らは何してるんや?」
「・・・お菓子食ってる」
「愁、正解。で?俺が言いたいこと分かるやんな?」
「・・・仕事しろ、ということじゃろうか」
「学、正解。で?仕事はないんか?一切?」
「・・・倉庫の片付けが学年主任のオヅラから入ってる」
「灰、正解。正式には学年主任の小倉。殺されるぞ」
つまり・・・と光はため息を吐く。
だが、ここで黙ってないのが彼である。
「待てぇぇぇぇぇぇぇ!!僕だけ!僕だけ何も答えていない!
それはおかしい!何故なら僕だから!!」
「黙れ、これやるから静かにしてろ」
ぽいっと、光は持っていたビニール袋を投げ捨てる。
それに飛びつくように刹那はジャンプする。
忘れないで欲しい、彼は今、パンツ一丁だ。
「ぅわーい、メイドだぁ〜。僕に似合いそうだ」
「刹那がアホやってるうちに話進めるで。倉庫の片付けと一緒にちょっと探してほしいもんがある」
「え〜、あの倉庫から〜?そりゃ、無茶だよ。ね、灰」
「うん。宏の言うとおり。俺たちの様な柔肌えんじぇうには無・・・理・・・いえ、ごめんなさい」
鋭い目が勝利した。
「探して欲しいんは『卒業生名簿』。あんまり古いもんは倉庫にしまわれたらしい」
「何で今更そんなものを・・・」
「まぁ、愁の言いたいことも分かるけどな。来賓とか何やらに必要やねん」
「ま。ついでなだけマシなのかもね。行こうぜ行こうぜ。こんだけ人数いりゃ、なんとかなるっしょ」
結局灰のその一言で、全員は渋々倉庫へと向かったのだった。
一人を除いて。
「皆!待たせたね!!見よ!とくと拝め!この美しき僕の美しき僕による美しき僕の姿を!!・・・あれ?」
場所は変わって倉庫内。
マスク着用でばっさばっさと中身を出していく。
時折、埃が大量に降ってきては
「ごほっ・・・うざい」
と愁が。
「この白さ!まるでアレの様じゃ!液体にぞならんかの!」
と学が。
「わぁ、雪みたいだ。雪合戦ならぬ埃合戦できるな」
と灰が。
「ちょ、ちょちょ金髪の上にこれ乗ったら目立っちゃうよあわわ」
と宏が。
各々に感想を述べていた。
光は生徒会の通常業務へと戻っていった。
つまり、光が次戻ってきた時は仕事が終わっていないと後が怖いのだ。
ちなみに、皆が怖がっているのは光そのものではない。
光がパニックを起こすと使い出す秘技☆職権乱用なのだ。
生徒会役員という立場を利用し何をしだすか分からない、という恐怖の技である。
「おいこら、皆!僕を置いて楽しげなことをするんじゃない!」
「楽しげ?どこが?何なら全部刹那がする?いいよ?喜んで全部押し付ける」
「も、猛烈に機嫌が悪いな、愁。だが、心配するな。君もこの僕に癒されろ。
このメイド服を着た僕が奉仕という名の癒しを与え給ってやってもいいぞ!」
「もう、刹那。早く手伝って、はいこれマスク」
「む。おい、宏。いつ僕が手伝うと・・・こんな仕事僕が汚れるじゃないkひうはsdjふぁds;」
「やろうぜ、な?」
「か、灰。今、僕のゴールデンボールを握り締める必要性は一体・・・どこに・・・くっっ・・・」
正直、したくもないこと(仕事だが)をやらされていて全員気が立っていることは否めない。
そこにこの刹那の僕ショーを繰り広げられては、もうストレス発散の格好の的である。
結局、どうなったかと言うと。
名簿は無事に見つかり、倉庫の中身は一時的に出すだけだし分別はまた今度。
ということに落ち着いた。名簿が見つかったことにより、光(というか生徒会)の許可も下りたわけだ。
「あー、もうなんか疲れた。俺、アイス食いたい」
「宏に賛成じゃ。ミルクアイスが良いの」
「さぁ、皆!!お待ちかねのお泊りタイムだよ!
この後、僕の家へ来るが良い!さぁ来るが良い!」
「一旦帰ってからだけどなー」
男子高校生の日常。
それは、むしろ今からなのかもしれない。
*****アイダガキ*****
遅くなりましてすみませんです。
ぶ、部活ってこんなので良いの?良いの?!
こんなのでごめんねー(>△<)。゜
さぁ!!宏ちゃん!
ラスト、〆ちゃってー♪
バト〜ントースッ!!