一路/浅田次郎 読了。

すごくいい話だった。感動した。最後、ちょっと悲しかったけども。

ブチがお殿様の馬じゃなくなってしまうのがちょっと寂しい。
そして、謀反人一味が斬殺、自殺で全員死んでしまったのも。悪者とはいえ。
悪人全員、御奉行様の前にしょっぴかれて処罰、っていう最後ならスッキリするのだけど、左京大夫様の言うとおり、それぞれがそれぞれの一族を守るために起こってしまった対立で、そこには善悪を付けられない。

そうやって、名前も残らず消えていった、消されていった侍が、過去の歴史に数え切れないぐらいいたんだろう。今の日本でも同じように。

この作品は、参勤交代がテーマになっている小説だが、時代は幕末。登場人物達のすぐ先の未来がどうなってしまうのか、想像するだけでどうしようもなく寂しい。

思えば、左京大夫様は、幕末の日本の未来を、なんとなく予測していたのではないか?殿様も侍も、幕府もなくなる未来が、日本に来ることを。