5月に読んだ本

・小川洋子の短編集
・ここは、おしまいの地/こだま
・厭な物語/アガサ・クリスティー他(中村妙子 他 訳)

小川洋子
割とセンシティブなタイトルなので伏せることにした。
もう何年もずっと読みたかったやつ。ついに手に取る勇気が出た。

「博士の愛した数式」「ミーナの行進」「ブラフマンの埋葬」などなど、何でもない日常がこの人の手にかかると美しい系の作品が有名な中、この表題作に関しては…まともな人がいねぇ…。2本目3本目は特に男性がすごい魅力的なのに、この表題作だけが。
一見ごく普通の、ありふれた生活をしているように見えて、どこか闇の深い日常が淡々と続いていく。

好きなやつです。

ここは、おしまいの地
全く知らない小説家のエッセイ。あらすじと表紙で買った。
作者の育った土地の環境も、ほとんどの登場人物も「終わってる」ようなのばかり。悲壮感まみれなんだけど笑える。人間って弱い生物だけど、意外と強い時もある。

厭な物語
カフカの判決はもうほんとに厭になるやつ…。これは人によって、解釈異なるんだろうな。確か、大学の文学部の授業で、これを扱ってるのがあった覚えがある。

自分的には、多分父の言ってることも息子が言ってることも何もおかしくはなくて、ただ息子の、毎度毎度のデリカシーのなさ・空気の読めなさ・記憶力のなさに、モラハラ傾向強の頑固な父が、ついにキレた…っていう、意味なのかな?と思った。
コミュ力ゼロ同士の介護の末路…みたいな。

心霊系も好きだけど、もっと好みなのはやっぱり、人間が怖い系なんだよなぁ。ナイト・オブ・ザ・ホラーショウといい、うしろをみるなといい、ちょっと〇〇しただけなのに系がまさにそれ。

最終ページによくある、「落丁・乱丁本は送料小社負担でお取り替えします」の文が一番怖かった。いや〜よくできとるで…。