4月23日、GRANRODEOのボーカルである声優の谷山さんが、ツイッターで発言を投稿。半日後に謝罪、削除。以後今日まで更新なし。

世の中には、政治的思想や宗教的価値観を、隠すことなく発言、発信している作家や、バンドや、劇団がざらにある。どんな思想だって、思うこと自体は自由だし、それを発言しようがしなかろうがそれも自由なのだから、好きにすれば良い。

だから谷山さんがそういう思想を持っていることも、それを発信したことも、それ自体が悪だとは私は思わない。

ただ、谷山さんは、進撃の巨人という、未知の生物や人類の未曾有の事態に仲間と立ち向かう作品に出演しても、過去と向き合いながらも人々に笑顔や元気を届けるアイドルやバンドマンやアスリートを演じても、GRANRODEOが15年続いても、その15周年ライブや飯塚さんの誕生日ライブが延期になっても中止になっても、ツイートの翌日が長年演じているゲームキャラクターの誕生日でも、たくさんの楽曲を出して、たくさんライブをしても、そんなことよりも2ちゃんのまとめサイトやインフルエンサーの呟きの方が、よっぽど刺激的で感動的で、心に残っているようだ。

じゃなきゃああいうことを、今の世界的パンデミックの状況で、世界に発信しようと思わないだろう。

私はそれがただただ悲しく、虚しい。
あまりにひどい文章だった。今までのGRANRODEOとの思い出や、たくさんの歌詞や言葉は、一体何だったのだろう。2ちゃんのまとめサイトやインフルエンサーから学ぶことはあっても、これまでの活動や演じた作品からは、何も学ぶことも感じることもなかったのだろうか。怒りが湧いてくる。怒りと悲しさと虚しさが。

カッコいいとでも本気で思ったのか?
感染の恐怖や、先の見えない不安に抗えなかったのか?
自分の政治的主義主張を世間に示したかったのか?
医療関係者や他国の住民をバカにしているのか?
それともその全部なのか?

当の本人は何も語らない。ツイッター自粛してるから。

この事態がもし大河俳優やお笑い芸人だったら、今頃どんな目に合っているか。朝昼晩とワイドショーに取り上げられて、大御所芸能人から罵声を浴びせられ、週刊誌から追い回され、何度も何度も謝罪の言葉を求められ、そしてきっと大河や朝ドラから降板させられる。

声優だから大目に見てもらえてる。ツイッターでヲタクからクソリプを飛ばされるだけで済んでるのだから。

もう悲しくて虚しくてやりきれない。