慈悲の聖母病棟/イヴァン・ツァンカル

慈悲も神も仏もない…。約120年前のスロヴェニア文学。とはいえしかし120年前の小児病棟って本当にこんなに酷かったのか?病院というより、手の施しようのない子をそのうち死ぬまで放っておく収容所じゃないか。それとも、まだ収容してくれるだけでも全然マシな時代だったのか?子どもたちの親も滅茶苦茶だし。
貧しい国とはこういうことなのか。

子どもたちとカナリアと雀がひたすらかわいそうだった。

キャラクターの、多分「イエス・キリスト生誕の時、東方の三博士から牧人までもが会いに来たが、それはイエス・キリストが救い主だからであって、イエス・キリストという赤ちゃんが生まれてきたからではない。同じように、病気の貧しい子どもたちを哀れんで施しをしにくる見舞客らも、イエス・キリスト像に祈る人々も、ただ自分が救われたいからであって、会いたくて会いに来ているわけではない」という意味だったであろう気付き。悲しすぎる。