10月に読んだ本

聖書物語 旧約篇/山形孝夫 山形美加
八日目の蝉/角田光代
人間/又吉直樹

旧約聖書の解説本読んでみたけど、
・登場人物のクズ男率高くね?ノア、アブラハム(クソ親父の総元締めみたいな)、リベカ(毒母)と、ダヴィデ(落ちぶれすぎ)、あと特にアンタだよモーセ。ツッコミが足りない。ほんまに引いたわ。よく「聖」書なんて文字、タイトルに付けられるなぁ。

・神、天地創造してみたが人間の創造をミスる
→アダムとイヴ、荒野に降り立ち開拓の旅へ
→なんやかんや言いつつ子孫増える
→一族のバトンリレーで旅継続、どんどん行動範囲が広がる。
→ついにエジプト王の側近にまで出世!みんなエジプトに住めるで!やったー!
→民、エジプト定住暮らしが平和すぎて、これまでの苦労苦労の生活を忘れ、ハングリー精神を失う。ヤハウェ神(みんなのお父様)への信仰心衰退
→けしからん!他宗教の女神アナト(みんなの妹系)が民を堕落させている!
→戦国時代
→ダヴィデ(選ばれし美少年)登場
→唐突なBL
→唐突なNTR
→政権を巡るドロドロ
→南北分裂
→北、敵国に侵略され滅亡
→南、判断ミスで滅亡
→続きは新約聖書で!

・編纂年によって、人間創造の記述が何パターンかあるらしいが、「神は自らに似せて人を作った」というパターンが気になる。だったら、アダムとイヴが興味本位で約束を破ったのも、神の一面ということにならないか。

・失敗した人間どもと、思った通りにならないヘビを出禁にすることによって、楽園の秩序は再び保たれる。
であれば、楽園は自由な場所、ではなくて、安全安心な場所、ってことにならないか。管理人の想定の範囲内に収まるやつだけが過ごせる場所。そういう意味の安全安心な施設って色々あるけど、そこと旧約聖書で表現された楽園って、実は同じなのかもしれんな。

・旧約聖書は昔話集であり、伝記ものでもあり、戦記であり、歴史書でもある…。なら楽園も、かつてあった国を表現したものなのか?

そして八日目の蝉。
Vtuber紫籘ナナ様の動画で、出演者の誰かが「映画の八日目の蝉に出てくるカルト宗教村のシーンがリアルで懐かしかった。少し調べたくらいではあれは再現できない。どうやって取材したんだろう」という場面があったので。
(映画のほうを見るつもりが、間違えて原作買ってしまった。)

それにしても、薫の実両親胸糞なんだが…。
実家で育ってたとしても不幸になってだろこれ…。
かといって、主人公と暮らし続けても手詰まりになったよなぁ。
と考えたら実両親胸糞悪さが増すわ…。
これからは実両親と暮らして今度こそ温かい家庭にする、と意気込んでるようだが、私的にはこの実両親のことだから、これまでの放置&ヒステリーから転じて、束縛&過干渉へとシフトチェンジするやろなぁと思う。

そして又吉の本。
有隣堂のYouTubeチャンネルが面白くて買った。
すごくキツくなるくらい、分かるなぁ〜とか懐かしいなぁ〜と思えて、このまま変なハッピーエンドにはならないでほしいと読み進めていたが、かといってあの第4章はなんだ…。明らかに要らない…。その辺りは斜め読みして終わらせた。主人公の妄想癖がすべてのトラブルの元だった、というオチなんだろうけど、そのルーツを幼少期にまで遡ってしまったら、冒頭の大家さんとの会話は何だったんだ…。

廃品回収に出した「おもろい以外いらんねん」でも思ったが、言い訳ばかりなくせに説教くさい小説はだるい。そういうのは選挙のアピールとか、イキリインフルエンサーのお気持ちツイートとかで足りてるよ…。
主人公、そんなに東京が辛いんだったら沖縄住んどけや……。でも承認欲求は捨てられないからやっぱり東京がいい、と…。

太宰治の人間失格が出てきたが、タイトルの人間と多分関係があるのだろう。
人間失格だから消えます、生きててすみませんでした、が人間失格なら、人間失格であっても生きていかなければならない、それが人間だ、というのがこの話。